ねうち帖

着物

古い着物に値段がつかない理由

値がつきにくい着物と、つかなかったときの手放し方

たとう紙に包まれた藍色の着物と、たたんだ帯のイラスト
イメージイラストです。実物の図柄は再現していません。

実家のたんすの着物をまとめて査定に出したら、ほとんど値がつかなかった。そういう話はめずらしくありません。業者も、状態によっては値段がつかない場合があると公式サイトに書いています。

値がつかないのには、だいたい決まった理由があります。この記事では、業者が公開している情報から理由を4つに分けて整理し、値がつかなかったときの手放し方までをまとめます。

理由1 素材が絹ではない

買取で値がつきやすいのは、絹で作られた着物(正絹)です。ポリエステルやウールの着物は普段着の生地として扱われ、単体では値がつきにくいとされています。

買取の一括査定サービス「おいくら」を運営するマーケットエンタープライズは、ポリエステルやウールの着物の目安を数百円から1,000円程度としています。絹のものと一緒にまとめて出すほうがよい、とも書いています。木綿の着物で目安が示されているのは、久留米絣のような産地の知られた伝統工芸品に限られます。

素材がわからなくても、そのまま査定に出せます。

理由2 シミ・カビ・虫食い・におい

着物の値段は、状態で大きく変わります。いちばん高いのは未使用品で、シミ、カビ、虫食い、におい、汚れがあると下がります。

バイセルは、淡い色の訪問着はシミや黄ばみが目立ちやすく、状態が悪いと大きく減額されることがあると説明しています。

理由3 丈が短い・仕立て直している

同じ種類と状態なら、丈が長いほど高く、短いほど低くなります。丈が短い着物は、着られる人が限られるからです。

丈や袖をつぎ足した着物も、買取価格が低くなることがあります。振袖では、仕立て直したものや、極端に小さい、または大きいものは需要が限られ、査定額が下がることがあるとされています。

理由4 種類として需要が少ない

種類によっても、値のつきやすさは違います。普段使いの小紋は、礼装に比べて買取価格が低めです。幅の広い昔の礼装用の帯である丸帯は、高値がつきにくいとされています。帯揚げや帯締めのような和装小物は、着物や帯ほどの買取額は期待できません。

種類ごとの目安の金額は、着物の買取相場にまとめています。

査定に出すか、ほかの方法にするか

4つの理由をもとに、手元の着物の行き先を表にしました。どれか1つに当てはまったからといって、値がつかないと決まるわけではありません。

手元の着物の行き先
手元の着物まずやること
絹で、目立つ傷みがない査定に出す。証紙や箱があれば一緒に出す
絹で、シミや丈の短さがある査定に出す。証紙がついていれば、傷みがあっても見てもらう価値がある
ポリエステル・ウール単体ではなく、絹の着物とまとめて査定に出す
値がつかなかった自治体の古布回収や、引き取りの条件を確かめる
汚れがひどい古布回収に出せないことがある(練馬区では可燃ごみ)。自治体のごみの出し方に従う

バイセル・コメ兵・おいくら・買取大吉の公開情報と、練馬区の古布回収の案内をもとに、ねうち帖がまとめた。

査定を申し込むときは、値がつかなかった着物を引き取ってもらえるかどうかも聞いておくと、あとの手間が減ります。

値がつかなかったときの手放し方

値がつかなかった着物は、自治体の古着・古布の回収に出せることがあります。たとえば東京都練馬区の古着・古布の回収では、着物を回収できるものとして挙げています。条件は次のとおりです。

  • 綿の入ったもの(綿入れ)は出せない
  • 洗うなどして、きれいな状態にする。汚れがあるものは可燃ごみで出す
  • 透明か半透明の袋に入れて口をしばり、雨に濡れないようにする
  • 回収日・回収時間内に、決められた回収場所へ持っていく

帯が出せるかどうかは、練馬区のページには個別の記載がありません。回収の対象や出し方は自治体ごとに違うので、お住まいの区市町村のごみの案内で確かめてください。

実家の片付け全体の中で、着物をどの順番で処分するかは、姉妹サイトのいえじまいで書いています。実家の着物の処分方法|売る前に確認すること(いえじまい)

参考にした資料

  1. おいくら(マーケットエンタープライズ)|着物の素材別の買取目安(2026年10月21日更新)
  2. バイセル|着物の買取相場
  3. コメ兵|着物の買取の解説
  4. 買取大吉|着物の証紙の解説
  5. 練馬区|古着・古布の回収(2026年9月21日更新)

いずれも2026年10月21日に確認。

この帖を書いた人

つぐみ

公的な資料と、買取業者が公開している価格を調べてまとめています。買取の目安は調査日時点のもので、状態や売り先によって変わります。

情報の調べ方について →
↑